小さな芽のように。
- 22 時間前
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春になると、土の中で眠っていたものが、静かに動きはじめる。
2月にまいた、立葵、ピーマン、メロンの種。
長女は毎日せっせと霧吹きで水をかけてくれていた。
ある朝ふと見ると、小さな芽が顔を出していた。
まだ頼りないほど小さな芽だけれど、
土の中で過ごしてきた時間を、そのまま携えているように見える。
数年前から育てている茶花たちも、
冬のあいだ土の中で静かに眠り、
春になると新しい芽を出してくる。
山吹、女郎花、紫蘭、藤袴。
それぞれが思い思いの姿で芽吹いている。

毎日の何気ない暮らしの中で、
気づかないまま過ぎていくことは多い。
けれど、土から顔を出したばかりの小さな芽を見ていると、
そんな小さな変化に、ふと目が向く。
小さな芽を見ていると、子どもたちと同じように、
私もまだ育っている途中なのだと思う。
私自身、母になって5年が経った。
もう5年。でも、まだ5年。
まだまだ未熟な面がたくさん。
子どもたちの隣で、私もまた少しずつ育っていきたい。
春になると、庭の中で、また新しい時間がはじまる。
小さな芽のように。
Shiho Kanai
Art Director, Gallery Rin




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