There, All Along – note03 アートとどう向き合う?
- 5月1日
- 読了時間: 3分

ビジュアルアーティスト Anne の展示会 "There, All Along" を5月に開催いたします。
この京都でのAnneの展示会は、私たちの認知に、ささやかな揺らぎをもたらすかもしれません。
Text: Shiho Kanai / Art Director of Gallery Rin
ギャラリー仕事に関わるようになる前、私はよく、アート作品を目の前にすると、一旦立ち止まるものの、何を見ればいいのか分からないと感じることがよくありました。私自身、学校で芸術を学んだ経験もなく、前職もアートとは関係のない業界にいました。
美術館を訪れても、ひとつひとつの作品を前に、どこかで「何かを見逃しているのではないか」と感じていました。一生懸命、アーティストのコンセプトを読み直したりしてみたりしていました。作品を見て何も感じないわけではなく、ただ、どう受け取ればいいのかが分からなかったのだと思います。
アートに関わるようになってからも、その感覚が完全になくなったわけではありません。けれど、その“分からなさ”に少し変化を感じています。
ひとつの答えにたどり着く必要はないのかもしれない。作者と同じ見方をする必要はなく、正しい見方があるわけではないのかもしれない。そんなふうに思うようになりました。
いまは、アートをひとつの言語のようなものとして捉えています。それは何かを説明するためのものではなく、それぞれのアーティストが生きてきた時間や経験、その人なりの世界から語りかけるメッセージや問いかけのように受け取っています。
そして作品に向き合うということは、それを解釈することというよりも、出会うことに近いのかもしれません。

他のブログでも書いていますが、私自身、19歳の頃から茶道を続けています。お茶の時間の中で大切にしているのは、いまの自分にあるものの中に留まることです。背伸びをせず、ありのままでいること。茶道は一人では成り立たず、人との関わりの中で育まれていきます。それぞれの経験や記憶、これまでの見方が交わることで、そこに新たな気づきが生まれるのだと思います。
Anneの作品と向き合う中で、そのことを何度も感じました。
カラフルで軽やかな印象のAnneの作品の中には、どこか不安定な表情や動きが見える。けれどそれも、見方によって変わっていくように感じます。
ある人には楽しく見え、別の人には違うものとして映るかもしれません。そして、その違いそのものが、大切なのかもしれません。
正しい意味を見つけることではなく、異なる受け取り方が存在すること。
もし私の中での変化を一つ挙げるとすれば、それは、分からないままでも、作品と向き合えるようになったことです。そしてその時間自体が、ひとつの体験になりうるということ。
Anneの作品に触れる中で、色んなの見方が生まれるきっかけになれば嬉しく思います。

Anne Exhibition "There, All Along"
18 May – 29 May 2026
Monday – Friday
12:00 – 16:00
In accordance with the gallery’s hours
Anne Profile
Anne is a visual artist whose work focuses on what existed before labels were attached, on what resonates in the gaps beyond language, and on the quiet gaze of those who stand at the boundary.
Exploring the invisible, the unspoken, and what quietly slips through, Anne’s work brings light to the spaces in between human perception.
By making these gaps the focus, the practice gently unfolds the layered memories that have long been covered.
Website: https://www.anneanne.art/
Instagram @anneanne.art


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